雇用調整助成金コロナ特例対応期間が令和3年2年末まで延長されることが、近時発表されました(令和2年11月27日付厚生労働省報道発表資料)。

これにより、少なくとも今後数ヶ月の間は、これまでと同じ条件での申請が見込めることになりました。

そこで、

・まだしばらく続くのならば、せっかくだから、雇用調整助成金を申請してみよう!

・どうやら、オンラインで申請できるようなので、せっかくだからオンラインで申請してみよう!

という方のために、実際の申請経験の中で体感したオンライン申請のメリット・デメリットをまとめてみます。

オンライン申請って?

雇用調整助成金のオンライン申請は、下記の3ステップで行います。

①厚生労働省の所定のページからログイン

この時、事前に登録しておいた申請担当者の携帯電話番号宛にワンタイムパスワードが送られてくるので、それを入力する必要があります。

②申請者情報入力画面で所定の情報を入力

③添付書類のデータをアップロードして申請する

 

 メリット 労力、時間が節約できる!

申請者情報入力画面では、事業所種別、雇用保険適用事業所番号、事業所名称、住所、電話番号、交付先口座情報等を入力します。

この点、一度入力・申請してしまえば、次回の申請からは「コピーして新規申請」というボタンをクリックすることで、当該情報の入力を省略することができます。

 

また、各様式書面や休業協定書、事業所規模確認書面、実績に関する書類といった添付書面は、いずれもPDFまたは画像ファイル(pdfjpgpng)でアップロードできます。

さらに、PDF、画像ファイルを用意できない場合、マクロのないMicrosoft WordMicrosoft Excelファイル(docxxlsx)であれば、アップロードすることができます。

アップロードの操作は、当該データファイルを所定の欄へドラッグ&ドロップするだけです。

ちなみに、アップロード欄の直下には、アップロードすべきファイルを箇条書きで示してくれていますので、それを見ながらアップロードすれば、添付漏れも防ぐことができます。

 

 デメリット オンラインでも押印必要!?さらに、交付までにかえって時間がかかってしまうことも。

オンライン申請は、上述しましたように、大変便利です。

もっとも、思わぬ落とし穴があったりもします。

それは、「事業主の押印は省略できるものの、申請代行者や労働者代表の押印は省略できない」ことです。

上述しましたように、添付書面は、ワードやエクセルファイルでのアップロードが可能とされています。ところが、各様式書面には押印欄があるものがあり、そこで省略できるのは事業主の押印のみです。

ですので、申請代行者や労働者代表の押印を要するものについては、結局、印刷・押印の後にpdf化する等の処理が必要となってきます。

特に労働者代表印については、申請代行者にとっては、先方に処理をして頂く必要があるため、ネックとなります。

また、オンライン上では同じページから申請するのですが、その後は、各管轄の労働局に送られ、審査が行われます。

この時、労働局によっては、郵送申請とオンライン申請とで審査する部署が異なる場合があります。

そして、その結果として、別部署による審査のため、郵送申請よりも、オンライン申請の方が実際の交付までにかえって時間がかかるという現象が起こりえます。

 終わりに

いかがでしたでしょうか。

現在、雇用調整助成金等オンライン受付システムは安定して稼働しています。雇用調整助成金の申請に当たっては、上記メリット・デメリットなどを踏まえ(特に交付までの時間)、郵送かオンラインかを検討されて頂けたらと思います。

なお、弊所では多数の申請実績がございますので、お気軽にご相談・ご用命を頂ければと存じます。