雇用調整助成金の申請手続きが大幅に変わりました!
事業主が、雇用維持のために休業等を行った場合に、休業手当のうち所定の割合を助成する制度である雇用調整助成金。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による休業等の場合には、特例措置がなされています。
今回は、5月19日以降、特例措置の申請手続きが大幅に変更されたことを受け、現在の申請手続きの概要を、これまでの手続と比較しながら紹介いたします。
1 5月18日以前の手続
これまで、申請手続きとしては、大きく
Ⅰ 計画届の提出
Ⅱ 支給申請
の2段階とされ、それぞれの提出書類が、
Ⅰ 計画届の提出
A 休業等実施計画(変更)届(様式第1号⑴)
B 雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書(様式特第4号)
C 休業協定書(ガイドブックに記載例あり)
D 事業所の規模を確認する書類(既存の労働者名簿及び役員名簿で可)
Ⅱ 支給申請
E 支給要件確認申立書(様式特第6号)
F (休業等)支給申請書(様式特第7号又は10号)
G 助成額算定書(様式特第8号又は11号)
H 休業・教育訓練実績一覧表(様式特第9号又は12号)
I 労働・休日の実績に関する書類(出勤簿、タイムカードの写し等)
J 休業手当・賃金の実績に関する書類(賃金台帳や給与明細の写し等)
となっていました。
そこで、まずは、Ⅰの手続きを着実に進める必要がありました。
2 5月19日以降の手続き
ところが、5月19日に、大幅な変更がなされました。
変更の内容は、大まかに次の2つです。
① 「Ⅰ 計画届の提出」そのものが不要となりました!
※システム不具合のため、稼働していません(令和2年5月25日現在)
② オンラインで申請できることになりました!
このため、「Ⅰ計画届の提出」を経ず、「Ⅱ支給申請」を行えばよいことになりました。
とはいえ、計画届の提出で提出すべきであった書類のうち、提出が不要なのは、
A 休業等実施計画(変更)届(様式第1号⑴)
だけであり、
B 雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書(様式特第4号)
C 休業協定書(ガイドブックに記載例あり)
D 事業所の規模を確認する書類(既存の労働者名簿及び役員名簿で可)
は、「②支給申請」の際に、
E 支給要件確認申立書(様式特第6号)
F (休業等)支給申請書(様式特第7号又は10号)
G 助成額算定書(様式特第8号又は11号)
H 休業・教育訓練実績一覧表(様式特第9号又は12号)
I 労働・休日の実績に関する書類(出勤簿、タイムカードの写し等)
J 休業手当・賃金の実績に関する書類(賃金台帳や給与明細の写し等)
とともに提出する必要がありますので、ご注意ください。
3 簡素化されたのは事実ですが、思わぬ落とし穴も!
5月19日の変更で、申請は、より易しくなったといえます。
しかし、計画届の提出がなくなったことで、思わぬ影響が出ることがあります。
それは、「売上高等の減少を比較する基準月が変わってしまうこと」です。
この点はほとんど指摘されていませんが、コロナ特例の雇用調整助成金の要件として、「売上高等の事業活動指標が、前年同月比で5%以上減少していること」というものがあります。
そして、この基準となる月は、これまで、原則として、計画届の提出の前月とされていました。
ところが、今回の変更で、計画届の提出手続きがなくなってしまったため、基準となる月が別の方法で指定されることになりました。
具体的には、原則として「休業が行われた月」がその基準となります。
よって、月によって5%減少するか否かが微妙という事業主様の場合は、今回の変更によって、5%減少の要件を満たさなくなってしまうことがありえます。
このような場合は、お早めに最寄りの労働局にご相談されることをお勧めします。
なお、神奈川の事業主様であれば、
神奈川労働局 職業対策課 助成金センター 045-650-2801
が窓口です。
雇用調整助成金は、制度の運用が日々刻々と変わり続けています。
申請のご準備の際は、常に最新の動向をご確認ください。
厚生労働省 雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
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