川崎の弁護士伊藤諭です。

痴漢で逮捕!?というと、男性諸氏の頭によぎるのは「すわ!冤罪か!」だろうとおもいます。

痴漢冤罪の怖さ

痴漢冤罪に巻き込まれたら、仕事もお金も、場合によっては家族や友人関係まで犠牲にしかねません。
「それでもボクはやってない」を引き合いに出すまでもなく、過去にも冤罪ではないかという事件や現実に起訴された後に無罪が確定する事件があったり、有罪確定後に無実が分かって最新で無罪となったりと、他人事ではないニュースには枚挙にいとまがありません。

そんな中でこんなニュースが飛び込んできました。

痴漢冤罪防げ 弁護士保険発売(2015年9月11日(金)掲載) – Yahoo!ニュース

満員電車に乗るときは両手を挙げてい男性も多いのではないか。ジャパン少額短期保険(東京都千代田区)は電車などで痴漢に間違われた時に弁護士にすぐに助けを求めることができる弁護士保険を発売した。事前に携帯電話やスマートフォンに利用画面を登録しておくと、緊急時にボタンを押すだけで対応可能な弁護士と連絡がとれる。同社によれば、業界でも珍しいという。(ニュースイッチ)

この保険自体、法律的にいろいろな興味がありますが、今回はそこには触れません。

従業員が逮捕された会社はどうするべきか?

私どもが顧問契約をいただく際に、社長から相談されることの多くが実はこの問題で、従業員が痴漢冤罪で逮捕されたときなんかにも助けてくれるんですか?という質問をよくされます。

痴漢冤罪は大変ゆゆしき問題で、実際に逮捕されたり、起訴されたりされた方からのご依頼には私たちは全力で対応いたします。

しかし、雇用主からのご相談となると、簡単な問題ではありません。

社長がその従業員と一緒に電車に乗っていて、本当にその従業員がそのようなことをしていないと自分の目で見て知っているということであれば問題ないのかも知れませんが、普通は、従業員が、例えば通勤中や移動中に痴漢で逮捕された、という話をどこかから聞いて、これは大変だ!冤罪だ!とあわてて対応するケースだろうと思います。

従業員と心中できるか

そのような場合、社長としては、「その従業員をどこまで信用するか」という問題と直面することになります。

痴漢事件というのは、冤罪がどうしてもクローズアップされがちですが、残念ながら実際にやっているケースのほうが多数です(本人も認めている)。また、さらにやっかいなのが、実際にはやっていないにもかかわらず、本人が早く釈放されるためにやっていないことを早々に認めているという場合もあります。

会社としては、痴漢などの犯罪行為をしたことを認めていたり、裁判上そうした事実が認められた従業員に対しては、厳しい処分を検討しなければならない場面がやってきます。

会社が顧問弁護士をそのような従業員に弁護人として就けていた場合、その弁護士は、本人(従業員)の利益のために活動する義務を負う反面、会社からその従業員に不利益処分をする場合に会社に対してアドバイスをすることができなくなってしまいます。

このように利害が対立する可能性がある以上、顧問弁護士は、会社からの依頼であっても、その従業員の弁護人に就任することは、普通はできません。弁護人になるということは、会社はその従業員の無実を100パーセント信用して、刑事処分が仮にどのような結果になったとしても会社として一切の処分をしないことを約束してもらうことになるかと思いますが、そのようなアドバイスは会社に対してはしにくいでしょう。

痴漢問題というのは本当に悩ましい。だれもハッピーになりませんね。

顧問弁護士としての悩みです。https://www.s-dori-law.com/sdoriblog/ito/845

Posted by 市役所通り法律事務所 on 2015年9月12日

=================================

川崎の無料法律相談なら市役所通り法律事務所

ご相談の予約は
Tel 044-230-1725 (平日9:00〜17:00)
または
soudan@syksdorilaw.com (24時間 法律相談受付専用) まで

↓こちらもポチッとお願いします。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

Facebookページ

follow us in feedly

にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ
にほんブログ村