先週、スイスフランが約3割暴騰し、為替相場が大混乱するという事態が生じました。
これにより、特にスイスフランに対して売りポジション(ショートポジション)を持っていた投資家が次々とロスカットされ、証拠金不足(追い証)で多額の負債を抱えてしまったようです。

FXで破産できるか

さて、ちまたでは、このように投資(投機)で作ってしまった借金の場合、自己破産(というよりもその後の免責=借金をチャラにする決定)を受けられないという誤った(とあえて言います)情報が流布しているようです。

結論から申し上げると、このような場合でも自己破産(免責)に支障はありません

破産法によると免責を受けられない?

破産法上、次のような規定があります。

(免責許可の決定の要件等)
第二百五十二条  裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする
(略)
四  浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
(略)
2  前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる

免責許可の決定は、原則認められるのです(第252条が「いずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。」という規定の仕方になっている。)。
そして、FXでの損失が「浪費又は賭博」にあたって、それにより著しく財産を減少させ、過大な債務を負担したような場合であっても、「事情」によって「免責許可の決定することができる」ということになっています。

裁判実務では、この「事情」が非常に広く運用されています。
借金の原因が、パチンコや競馬、風俗、株取引、先物取引、FXなどであっても、一般的には、この「事情」により免責許可決定を受けています。
逆に私がこれまで関与した破産事件(申し立てる側、破産管財人の側いずれでも)免責を認めなかった例はありません。

なお、これまで経験はありませんが、免責が認められないようなケースというのは、破産手続き中にさらにギャンブルに手を出してしまったというような悪質なものが考えられます。

すなわち、一度返済不能な借金を作ってしまったとしても、破産管財人の破産処理に協力し、生活環境の改善に努力をすれば、通常は免責許可決定を受けることはできるのです。

弁護士選択のポイント

一部の弁護士や司法書士において、浪費に当たりかねない借金のケースにおいて自己破産手続を選択せず、個人再生や分割返済(任意整理)などで全部又は一部を返済するという判断をする人がいます。
あらゆる事情を考慮した上での結論であればいいと思うのですが、この破産法の条文解釈を非常に狭く解釈して最初から破産を選択肢から除外したのであればもったいないなあと思います。

弁護士の選択のポイントとしては、きちんと自己破産を選択肢に入れて検討してくれるかどうかを基準にしてみてください。
もちろん個別の事情によっては、自己破産よりも他の手続のほうが適しているケースもありますので、 自己破産を選択しないことが誤りだというつもりはありません。

なお、こうした事情による破産の場合、免責について慎重に判断する必要から、通常の手続よりも実費(=破産管財人の費用(約20万円))が余分にかかることがあります。

=================================

川崎の無料法律相談なら市役所通り法律事務所

ご相談の予約は
Tel 044-230-1725 (平日9:00〜17:00)
または
soudan@syksdorilaw.com (24時間 法律相談受付専用) まで

↓こちらもポチッとお願いします。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

Facebookページ

follow us in feedly

にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ
にほんブログ村