川崎(じもと)の弁護士 伊藤諭 です。

みなさんが普通に生活していれば,かならずどこかで登録商標に接しています。

JR(東日本旅客鉄道他)に乗って会社に行き,昼にはマクドナルド(マクドナルド インターナショナル プロパティーカンパニー リミテッド)でコカコーラ(ゼ コカコ-ラ コムパニ-)を飲んで,仕事が終わったらホッピー(ホッピ-ビバレッジ株式会社)で乾杯しているわけです。

難しい定義はおいておきますが,商標とは,商品やサービスに対するブランドです。このブランドを使っているということは安心だということで顧客がその商品やサービスを選択するのです。
いわゆる偽ブランドというのは,他人の築き上げたブランドにただ乗りする行為だから許されないのですね。

商標を調べるには

商標を検索することは簡単です。

商標出願・登録情報

商標検索

アイフォンかアイフォーンか

ところで,iPhoneが日本に紹介されるとき(日本発売前),私の記憶では日本語の表記は「アイフォン」だったと思います。

しかし,iPhone3Gが日本発売というタイミングですべて表記が「アイフォーン」になりました。
またこれと時を同じくして,ドアホンのアイホン社が新聞のちいさな広告を頻繁に出すようになったのに気がつきました。

そこで商標検索です。

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アイフォーン検索

6件ありました。

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関係ありそうな上3つを見てみます。

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大文字の「IPHONE」はアップルインコーポレイテッド(要するに米アップル社)の登録商標でした。

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「iPhone」商標はアイホン株式会社のものでした。称呼(よびかた)は「アイフォン」になっています。商品区分等には,携帯電話などが指定されています。

ここから分かることは,アップル社は世界に浸透している「iPhone」ブランドや「アイフォン」という呼び方をそのままでは使えないということです。

あくまで私の想像ですが,これらのライセンスについて何らかの協議がアップル社とアイホン社でなされたのでしょう。「iPhone」の商標はアップル社が使用して,その日本語表記は「アイフォーン」で統一されています。

なお,アップルのHPにはかならずこのような注記がされています。

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さて,もう一つ残っていた「iPhone」の商標について見てみましょう。

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「おもちゃの携帯電話」についてはアップル社が堂々と使用できるのですね。

みなさんも気になった商標を検索してみてはいかがですか?
意外な発見があるかもしれません。